日本中国伝統功夫研究会

習い事は週に1回の限界

 私は、2010年3月に中国留学から帰国した後、教室で指導活動をしていた2017年7月までの約7年間、「習い事は週に1回」という日本の一般的な習い事のペースに、大きな限界を感じていました。

 自分自身、過去日本の太極拳教室に通っていた頃、「週に1回の授業では、とても套路(型)を覚えることは不可能だ、何年も掛かってしまう」と危惧したことがあります。

 そのときは、通っていた教室の先生に相談をして、その教室が所属している会の他支部の教室にも通って、週2~3回のペースで太極拳の套路(型)を何とか覚えようと奮闘しました。

 しかし、その方法は、費用が掛かり過ぎたことと、会社勤めと並行していたので過労が重なってしまったことと、初心者から見ると各先生方の動きが同じでないので、却って頭が混乱して套路(型)を覚えることができなかったので、2か月間も続けられませんでした。

 中国に渡って知ったことですが、中国、韓国、欧米では、「習い事は平日の夜の週5日のペースで通う、週末の土日はファミリーと過ごす」という習慣らしく、日本の「習い事は週に1回」というペースは特殊なのだそうです。

 この違いは、土地事情と労働事情の差だと思います。

 東京は地価が高いので、専用の武館を持つことは一般的には困難だと思います。

 教室を開く主催者は、一般的には貸しスペースを使用するため、時間と費用に限界があることと、教室に通う生徒さんの条件も「不規則な残業で定時に退社することが難しい」という方が多いので、「週に1回通えるかどうか」がギリギリというのが実態だそうです。

 中国武術を習得するための条件は、毎日最低でも1時間、できれば2時間程度、規則的に練習を積むことが必須になるので、「自主練習どころか、教室に通う時間を確保できるかどうかも不安定です。休みの日は疲れ果てて寝だめして家事をしたらもう時間切れです」という多くの生徒さんに対して、私は解決法を見つけられませんでした。

 「寝る前の15分でもよいので、準備運動だけでも毎日続けてみてください」「通勤中、電車を待っている間にでも目立たない動きの基本功はできるので、ぜひ毎日続けてください」と、声を掛けることしかできませんでした。

 もちろん、実践できる意思の強さと、条件を持っている生徒さんもいます。しかし、多くの方は「教室でしか練習できない」という状況でした。

 私自身が、中国で毎日6~8時間という練功を積んでなんとか習得することができたという経験しかないので、生徒さんにとっては非現実的な話で、自主練習に取り組むための参考にしていただくこともできませんでした。

 賃貸スペースの借り上げも検討しましたが、大変高額であることと、不特定多数の人間の出入りを禁じている物件が殆どだったので、私が中国武術の教室の開催場所として利用できるのは、レンタルスタジオしかありませんでした。

 双方がこのような条件ですので、どうしても「習い事は週に1回」になってしまいます。

 大手のスポーツジムや、その他ダンスや武道など、しっかりとした条件を保たれているところもあります。

 私が行きついた答えは、「個人の努力しかない」ということです。

 私も、実際に日本に帰ってきてからは練習場所の確保に困っています。

 しかし、日本に限らず、中国でも武館を持たない老師に伝統武術を学ぶときは、練習場所に困りました。

 結局、自宅のスペースか、公園での練習になるのですが、中国の公園での太極拳は一般的ですが、それでも女性一人で練習をしていると、携帯電話で写真を撮る人に囲まれてしまい、練習になりません。ましてや、八卦掌ともなると、興味を持たれて頻繁に話しかけられるので、集中して練習するためには、相当の精神力を要しました。

 心地良いスペースを安定的に確保するのは、幸運が必要です。

 しかしその幸運を待っていたら、人生の時間はあっという間に過ぎ去ってしまうので、やはり「今日、この一日の中のどこに練習場所と時間を確保するか?」それを各個人が努力して獲得していかなければならないのだと思います。

 これが、私が2010年3月から2017年7月までの約7年間、レンタルスタジオを利用して教室を開催し、八卦掌と太極拳を指導していた中で出した答えです。

2018年3月17日 追記(未完成 執筆中)

執筆の目的と趣旨

高校卒業までに受けた虐待

社会人になってからの苦しみ

つかの間の希望

人生の転機

太極拳修行 ~美談の陰で~

中国で学んだ武徳という価値観

帰国後の展開 ~会の運営~

怪我、入院のこと

複雑性PTSDの苦しみ

これから中国武術を学ぼうと考えている方へ

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