ずっとずっと探していた本に出合えたこと

素晴らしい本との出会い

私は子供の頃から母親に、ありとあらゆる虐待を受け、それが原因で複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、成人した後も、生き辛さに苦しみ続けました。

中学生で、完全に不登校状態になってしまった頃は、週刊少年ジャンプ、純文学、SF小説、推理小説、心理学、天文学、量子力学、とにかく手に入る本は全て読み漁り、読む本が無くなると、新聞や、電話帳や、家庭の医学まで読んでいました。

小学生の頃は、学校に図書室があったので、そこにあった本は卒業するまでに全て読み終わりました。

「生きていく術は、親も周りの大人たちも、学校の先生も同級生も、児童相談所の人も教えてくれない。本の中に探すしかない」

そう感じていました。

母親に「おまえは橋の下から拾ってきた子供だ」と何度も言われたので、自分は捨て猫と同じなのだと思っていました。

研究熱心な猫

小学校を卒業するまでは、毎年4月にもらえる新しい教科書を、もらった当日に全ての教科を読み尽くしていました。

中学生で、フロイトもユングも読んでしまいました(もちろん殆ど理解はできませんでしたが)

結局、関心を持てたのは、NHK特別番組の『宇宙とは何か』シリーズや、関口宏さんが司会をしていた『わくわく動物ランド』と、『知ってるつもり』という人物系教養番組と、たまに放送される『ムツゴロウ動物王国』と、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』でした。

特に、『知ってるつもり』で知った、ジェームズ・ディーンや、ジョン・レノンの生き方に共感していました。

「親の愛を得られなかった人たちの生き方」

それが、私の人生の教科書でした。

しかし、私には演技の才能や、音楽の才能がなかったので、20代になってからは、もう何も学べるものがなくなってしまい、自力で自己改革をして『太極拳』に代表される東洋思想に至りました。

それでも、複雑性PTSDの症状に対しての、根本的な回復のアプローチは出来ませんでした。

逆に意図せず「宗教」という世界に迷い込む羽目になり、たくさんの心の傷を受けて、たくさんの時間を無駄にしました。

死にかけたことも、死にたくなったことも、たくさんあります。

今から10年前、日本が「自殺大国」だと呼ばれていたときに読んだ本に、こう書いてありました。

「死にたいと言う人は死なない、という世間一般論は、まったく根拠がない」

「死にたい人は、死にたいのではない、休みたいだけなのだ」

これには「なるほど」と思いましたが、この言葉で解決はしませんでした。

最近になって話題になっている、アドラー心理学も読み尽くしましたが、複雑性PTSDの私には、厳しすぎて耐えられませんでした。

そして、42歳まで生きて、やっと運命の本に出合えました。

その一冊は、白川 美也子先生の『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本 』です。

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本

心に深い傷を持つ人なら、できれば騙されたと思って読んでみてください。

人生の色々な謎が解けると思います。

この本だけで、専門治療を受けなかったとしても、自己回復できる人もいるそうです。

特に私が感動した一説を引用させていただきます。

「サバイバーミッション」(トラウマから生き延びた人が、トラウマを抱えた他の人を助けることを自分の使命にすること)にとらわれないでほしいのです。

いつまでもそのことをやり続けているために、自分自身の人生に踏み出せないということがよく起こります。

回復とは、被害者でも加害者でもなくなり、サバイバーでもなくなり、そういう一般的な名前ではくくれない「他の誰とも違う、私でしかない私」になることです。

回復の過程において、あなたが誰かに過去のトラウマ体験を語ることだけが、誰かを救うメッセージになるのではありません。それを生き延びたあなたの身体の動きや声が、あなたの創る詩や奏でる音楽や描く絵が、人に何かを伝えます。

あなたが生きているだけで本当に十分なのです。

生き方の答えを見つけたネコ

「答えが見つかった!」

実際に私は、運良く警察の生活安全課の方の協力を得られ、直接白川先生にお会いして、私自身が「サバイバーミッション」にとらわれていないか質問することができました。

白川先生は、すぐに私の主催している日本中国伝統功夫研究会や、このブログを読んでくださって、

「しっかりと八卦掌や太極拳という目標を持って活動をしているのだから、サバイバーミッションではありませんよ。躊躇することなんて全く必要ないから、あなたの目標に向かって生きてください」

と言ってくださいました。

「サバイバーミッション」とは、自分の人生を放ったらかしにして、他人を助けることだけに集中している状態。

なのだそうです。

私が26歳の頃、ある太極拳団体の指導者に「自己犠牲しなさい」というマインドコントロールを受けて「常に利他的であれ」と繰り返し言われたことで、自分の考えを失っていた時期があったこと。

それが「サバイバーミッション」だったのだと思います。

今は違う、生きたいと強く思った私が、自力で見つけた本なんだ。

心からそう思えます。

2~3年かかると言われていた私の複雑性PTSDの治療は、おそらくこの本に出合ったことで、もっと短い期間で卒業するような気がします。

だって、答えが書かれてあったから。

子供の頃から何となく感じてた、答えは本に書かれてある、ということ。

そうか、生き延びた私が、八卦掌や太極拳で動いたり、話したりすること。

他の誰とも違う、私でしかない私になること。

答えは出ている。

「PTSDは完治できない、いや完治する」等々、色々な説がありますが、私にとっては、ずっとずっと探していた本に出合えたこと、それだけで生きていけそうです。

いま熟読をしているので、これから自分の人生を通じて、白川先生の本を参考に、八卦掌や太極拳で、正しい生き方を表現していけたらと思っています。

八卦掌の正師を見つけたこと。

八卦掌第五代正統継承者である麻林城老師に出会えるまで、諦めなかったこと。

それは怪我の功名でも、棚から牡丹餅でもないのです。

子供の頃から「曲芸飛行」を続けることでしか生きられなかった私が、正しい飛行を学ぶ為に、墜落覚悟で辿り着いた場所。

それが、麻林城老師の八卦掌だったのです。

PTSD(心のケガ)でも、頑張れば自分らしい生き方ができる。

私はそう信じています。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。