太極拳の練習直後の生ビールは危険です

気温が上がってくると、冷たい飲み物が美味しく感じますよね。

でも、太極拳に限らず、運動直後の温まった胃腸に冷たい飲料を流し込むのは、身体に良くありません。

ということは、誰しもがご存知かとは思いますが、ストレス社会では「練習後の打ち上げ!」「今日は、たくさん汗をかいたから、風呂上がりのビールが旨い!」という人は、少なくないと思います。

実際、私が最初に太極拳を学んだ教室では、練習後の飲み会が常識となっていました。

しかし、これはとても危険です。

中国では、「日本人は、冬でも冷たいビールを飲む国民だ」と言われています。

練習後、1~2時間が経過して、身体が通常の状態に戻ってから飲む、適量のアルコールは「百薬の長」かもしれませんが、日本人の平均適正飲酒量は、ビールであれば1日500ml(個人差あり)と言われています。

「練習後にしばらく時間をあけて、ぬるいビールで乾杯して、500mlだけ飲んで、仲間と大いに語らい親睦を深める」

というのは、お酒が好きな人にとっては、あまり現実的ではないと思います。

中国のビールは、アルコール度数が2~3%台の常温(ぬるい)ビールが常識です。

しかも、女性はお酒を飲まない人が多いです。

中国の都市部では、日本と同じく女性でも飲み会でお酒を飲む人は多いそうですが、地方に行くと「外で女性がお酒を飲むなんて、はしたない」という考え方が、今でも多いです。

私は現在、複雑性PTSDの治療のために断酒をしています。
(PTSDの人は「過覚醒」の症状を抑えるために、アルコールを自己投薬として飲む人が多いそうです。楽しんで飲むのではなく、症状を抑えるために飲むケースです。そういう人には断酒が必要で、減酒はできないそうです。そもそもお酒が売っていなければ良いのですが…)

練習後にビールを飲む習慣をやめると、確かに日を増すごとに体調は良くなります。

先日書いた「ファースト・ブレイン 腸と丹田についての思索」でも、つくづく感じましたが、太極拳を練習した直後に、丹田の位置にある腸に、キンキンに冷えた生ビールを流し込んでしまうくらいなら、練習などしないで、ごろごろ休んでいた方が身体には優しいです。

「ごろごろしているのは運動不足で良くない」というのは少し違っていて、本当の意味での「休肝日」にするためには、運動すらしないほうが肝臓は休めるそうです。

また、中国伝統武術の練習直後の飲酒は、身体だけではなく、精神に悪影響を及ぼす危険性が高いことも軽視できません。

太極拳に限らず、中国伝統武術界では、礼節を重んじます。

宴会の席でも、各自が(人によっては手酌で)自由に飲んでも良い日本とは違い、中国伝統武術界では、参加者が順番に、老師や先輩方への感謝の言葉を述べながら、みんなで一斉に少量を飲みます。

「お酒の席では無礼講」は、中国伝統武術界には存在しません。

正統な中国伝統武術の継承者の方々は、苦労して積み上げてきた「功夫」や「信頼」を失う可能性のある「無礼講の飲み会」という機会を、自らあえて作ることはしません。

身体にも、精神にも、冷たいビールをガブガブ飲むことは、危険だと私は思います。

「楽しみながら、適切な状態で、適量を楽しんで飲むのが良いですね」

と締めくくりたいところですが、そもそもアルコール自体が強い依存性を持つ薬物なので、飲まないで済むのであれば、それが一番良い生き方だ、と私は思います(←お酒が好きな私がそう思います)

とは言え、あの三国志でも特に有能な人物として、中国では人気の高い曹操ですら「対酒当歌」という詩を書いていて、「人生は儚い、苦しいことばかりだ、せめて酒を飲むときくらい、大いに憂いを解き放とうではないか」と言っています。

信頼できる人と、安心できる場所で、身体を壊さない程度にストレスを発散するのは、悪いことではないと私は思います。

でも、太極拳の練習直後のキンキン生ビールは、美味しいでしょうが、やめてくださいね!

我慢できないときは、常温ビールをゆっくり飲んで、栄養バランスの整った食事を摂って、胃腸を守ってくださいね。

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