日本中国伝統功夫研究会

私たちの会は八卦掌の鍛錬を通じ「天人合一」の境地を学ぶ会です

河南中医学院への入学準備

 2005年6月中旬、実家の宮崎で10日間程過ごした私は、太極拳発祥の地である河南省へ留学する為に長期ビザを取得すべく、河南中医学院への入学手続き資料の準備の為、東京へ向かいました。

 宮崎空港から羽田空港に到着し、新宿行きのリムジンバスに乗っている時、ふと、「宮崎と中国って習慣が似ている様な気がするなぁ・・・」と感じました。

 私の故郷の方言に「よだきい」という言葉があります。これは「面倒、おっくう」という意味なのですが、昔々、当時のお殿様の口癖が「余は大儀じゃ」だったそうで、後に訛って「よだきい」になったそうです。

 宮崎人は、この「よだきい」を連発します。時間がのんびり過ぎているのです。「よだきい」と言いつつも、結局は何となくやるのですが、そのルーズさ具合が、中国とちょっと似ています。

 「なるほどね~」

 道理で大の大人の男性ですら「中国に一人で行くのは怖い」というのに、私は何とかやっていけるんだと、ちょっと納得しました。

 東京へ着いてから、まず河南中医学院で提出を要求された、健康診断書(心電図や、伝染病がないかどうか、等)を取得する為に、総合病院へ行きました。

 一週間後に、「健康上まったく異常なし」という結果表を受け取り、旅行代理店へ向かい河南省鄭州市への片道切符を買うと、後は出発の日まで、東京の街でのんびりと過ごしました。

吉祥寺の猫ちゃん

 とある日、私は急に魚が見たくなって、吉祥寺にある井の頭公園に行きました。

 途中、お昼寝をしている猫さんを発見して、「あ、また猫がいる」と思いながら目指す井の頭公園の池へと向かいました。

 私は幼い頃から、猫と魚の動きを見るのが好きです。とかく猫に関しては、例えば路地裏から“お猫様”がその一分の隙もない機能美溢れるお姿で出現なされる寸前に、既に予測できます。自分でも不思議です。

 池に辿り着くと、丸々と肥えた鯉たちが、水面へ向かい口をパクパクと開けながら泳いでいました。

 「う~ん、見たいのは、こういう姿ではない。」

 と、人の少ない池の端まで歩いて行くと、くぐもった水の中を無言の鯉たちが悠々と泳いでいました。

 その静けさの中に潜む生命体の動きを時間を忘れて見ていると、心から熱い情熱がゆっくりと浮かんでくるのです。

 『登龍門』という言葉がありますが、これは流れの急な龍門という河を登りきった鯉は龍になる、という伝説が由来だそうです。

 そして、猫に関しては、中国の武術界では古くから功夫を動物に例える習慣があるのですが、最も強い動物が虎で、その虎の先生がなんと『猫』なんだそうです。 (※『中華武林百傑』の一人に選ばれたト文徳老師に伺ったお話)

 その理由は、猫は虎よりも機敏だからだそうで、後のお話になりますが、河南省で日々鍛錬をしていた頃、ト文徳老師の厳しいご指導を受けている最中に、少しだけ微笑ましい気分になった事を今でもよく思い出します。

 そして太極拳の習得の段階に、こういう表現があった事を思い出しました。

 太極拳を習得するには、まず明師(本当に解っている先生)に教えを請うべきである。そして日々精進する事が大切である。更にある時期からは自立し、自らの風格を磨く段階に入る。龍となるか、虎となるかは、自らが決める事である。

 私は、今はドジョウか、良くて仔猫くらいだなぁ・・・

 池の中をゆっくりと旋回しながら泳いでいる鯉を眺めながら、ボーっとそんな事を思いつつ、数日後、成田空港より河南省へ向かう飛行機に乗ったのです。

つづく

ニーハオ、北京!

一度目の帰国

再び北京へ

二度目の帰国

太極拳発祥の地 -河南省-

三度目の帰国

太極拳発祥の地 -河南省-

八卦掌への道

八度目の帰国

八卦掌への道(中盤)

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