陳式太極拳 第十代継承者(陳氏十八世)
陳照丕(ちんしょうひ)
1893-1972年
字績甫、河南省温県陳家溝 生まれ。
解放後、全国武術協会の会員を務め、「全国太極拳名家」の称号を授与された。
1958年、陳式太極拳の伝承活動のため北京から故郷である陳家溝に帰った。
現在、陳家溝出身の有名な陳式太極拳の人材は皆、彼の弟子、あるいは彼の孫弟子である。
文化大革命中、太極拳を含む武術の練習は反乱運動や派閥活動として中傷され禁止されていた。陳照丕は殴られ町中を引き回されたが、80歳近くの老齢であっても屈せず、後に太極拳は毛沢東の『語録拳』に編集された。
陳照丕は街を歩き、村人たちに陳式太極拳を教え過労で倒れて命を落とすまで伝承を続けた。
死去後、陳家溝の村人たちは陳照丕を偲んで墓地と記念碑を建てた。300年以上に渡る陳式太極拳の発祥と歴史の中で、継承者の墓地が設立されたのはこれが初めてである。
記念碑にはこう書かれている。
生涯をかけて太極拳の伝承のため尽力し、晩年は自宅で伝承を続けた。先祖から受け継いだものを子孫に伝え、陳式太極拳の普及の為に満身創痍で使命を果たした。陳式太極拳の発展史において多大な貢献をし、過去を引き継ぎ未来を切り開いた一代宗師、後世の人々はあなたを無限に称賛し尊ぶでしょう。これは永遠に人々の心に刻まれる碑文である。
陳照丕の没後、従兄弟の陳照奎も故郷である陳家溝に帰り弟子を取り伝承を続けた。