この『横山春光の中国武術留学記』は、私がまだ北京に暮らしていた2009年から書き始め、日本中国伝統功夫研究会の活動を休止した2018年まで、公式サイトに掲載し続けていた記録です。このたび活動を再開し、公式サイトをリニューアルするにあたって内容を一部見直し、再編したうえで改めて公開することにしました。
留学していた2004年から2010年当時の北京や河南省は、いまとはずいぶん様子が違います。街の風景も、人々の暮らしも、社会の空気も、あの頃とは別のものになっています。私自身も、当時より多くのことを知り、理解も変わりました。それでも、著名な老師方から直接ご指導をいただけたこと、そして2008年の北京オリンピックをはさんだ激動の時期を現地で過ごしたことは、いまも私の中に確かに残っている経験です。
あれから年月が経ちましたが、中国伝統武術に関心をお持ちの方や、あの時代の中国を懐かしく、あるいは興味深く思ってくださる方に、この記録が何らかのかたちで届くならば——そう思い、再編掲載することにしました。大げさな意義を主張するつもりはありませんが、一人の日本人が武術を学ぶためにあの土地へ渡り、もがきながら過ごした日々の記録として、多少なりとも読む価値があれば幸いです。
掲載内容や文章表現は、できるだけ当時のまま残しています。若かった私の未熟さ、理解の浅さ、表現の拙さもそのままです。読み返すと赤面するような箇所もありますが、それも含めてあの頃の正直な記録として、肩の力を抜いてお付き合いいただければと思います。
2023年4月 横山春光 記

