秘伝のレシピのカレーセット
『茶房 武蔵野文庫』は、東急百貨店 吉祥寺店の西側2本目の通り(西三条通り)沿いにあり、賑やかな通りにレトロな佇まいが目を引く吉祥寺を代表する喫茶店で、本格コーヒーとオリジナルカレーが有名です。
武蔵野文庫さんは、1985年に吉祥寺に開業して以降、コロナ禍を乗り越えて今も愛され続けているお店ですが、戦後まもなくから早稲田の地で愛されていた「茶房 早稲田文庫」をルーツにしているそうです。喫茶店なのになぜ「文庫」なのか、その理由がわかります。
かつて、早稲田キャンパス南門近くに茶房早稲田文庫という喫茶店がありました。日本家屋を改装した一風変わった店で、早大生や井伏鱒二、五木寛之ら稲門文士のたまり場として愛されていました。
惜しくも昭和59年に閉店しましたが、当時のスタッフであった現マスターの日下がその雰囲気、味、看板を継承し、「茶房武蔵野文庫」として、ここ吉祥寺に開業しました。
(茶房 武蔵野文庫 ホームページより)
武蔵野文庫さんには、自分にとっては何となく敷居が高いように感じてなかなか入れなかったのですが、「吉祥寺カンフーライフ」の一環として、朝の公園練習後に午後の八卦掌クラスまでの短時間でリラックス&チャージをしたいと考え、思い切って入店してみました。いただいたのは看板メニューの「カレーセット」です。
カレーをいただく前に、まず「当店独自のアイスコーヒー」をいただきました。落ち着いた味わいのある陶器の器(小石原焼“こいしわらやき”という焼き物だそうです)に透明感のある香りと味のアイスコーヒーが注がれ、一口飲んだだけでいきなり深く癒されました。なぜ武蔵野文庫さんが地元で愛され続けているのか分かる気がしました。
コーヒーでリラックスできたところに、さらにカレーセットをいただいたのですが、お店自慢のカレーは早稲田文庫の時代から引き継ぐ秘伝のレシピとのことで、ほろほろに煮込んだ大きな鶏肉と大ぶりのジャガイモと深く優しい味わいのカレーが、小石原焼のお皿に盛りつけられ、見てよし、食べてよし、やみつきの美味しさです。
そのうえチーズやソルトを振りかけて味の変化も楽しめます。食後の紅茶も香り高くて苦みもなく、カレー体験をさらに極上のものにしてくれました。
カレーのスパイス、具材の美味しさ、紅茶の香り、お店の雰囲気などおもてなしの嵐に、完璧に放松(ファンソン)できた気がしました。驚きの効果もさることながら、吉祥寺でこの美味しさとこの価格、これからはもっと通いたいと思いました。
食後は一歩「吉祥寺人」に近づけたような気がしました。次回は、期間限定の「焼きリンゴ」もいただいてみたいと思います。
ギャラリー
お店情報
店 名 | 茶房 武蔵野文庫 |
ジャンル | 喫茶店 |
所 在 地 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-13-4 井野ビル1階 |
アクセス | 吉祥寺駅徒歩約4分 |
URL | https://sabo-musashinobunko.jimdofree.com/ |
※記事の内容は執筆時のものです