2025年4月29日に、都立野川公園にて会員限定の第一回「華佗五禽戯」イベントを開催しました。 ゴールデンウィーク前半の爽やかな新緑の中で、春の戯である「鹿戯」を練習して心身のデトックスを行いました。

この記事を書いた人
吉祥寺カンフーライフ代表/指導員
春は肝機能を高める「鹿戯」



鹿戯(しかのぎ)とは?
「鹿戯」は肝にあたり筋を鍛えます。鹿を真似た伸び伸びとした動きで血管の流れを良くし、肝臓の機能を助けることができます。
肝臓は解毒を司る臓器です。この時期に新鮮な食事を摂り、寒さで縮んでしまった身体を伸び伸びと緩めると、筋肉と血管が柔軟になり、春の陽気とともに十分な血液が肝臓に運ばれます。清浄な血液を全身に巡らせ体内をデトックスして元気に夏を迎えることができます。
公園練習ならではの開放感
公園イベントは、周囲の人が気になって最初はなかなか集中できないものですが、参加者の方々は日頃から公園練習を重ねているため、初めからリラックスして練習を始めることができました。
華佗五禽戯は中国気功や中国武術の鼻祖と呼ばれ、後に発展した多くの気功・武術の門派に影響を与えた最古の気功法です。しかし、私たちが通常クラスで練習している太極拳や八卦掌と比べて動作が大きく異なり、各動物になりきる必要があるため、初めての練習者にとってはやや難しい面があります。
私自身、初めて公園で鹿の動作を行ったとき、「40歳をとうに過ぎた中年男性が公衆の場で鹿のように跳ねることが適切なのだろうか」という羞恥心と違和感でたじろぎましたが、横山会長の生き生きとした動きに触発され、自分の殻を破ってチャレンジしてみると、いつの間にか人の目を気にすることもなく、夢中になってしまう不思議な魅力を見出しました。人間としての意識を一時的に手放し、動物になりきる時間には、太極拳や八卦掌では味わえない特別な開放感があります。
2時間で「鹿戯」コンプリート
今回、参加者全員が準備運動を含めた2時間の練習で鹿戯を完全に習得するという、当会史上最速の学習スピードを記録しました。指導員として参加した私はこの成果に驚いて、イベント終了後の帰路で「何がこれを可能にしたのか」と深く考えさせられました。
開祖である中医師・華佗が五禽戯を生み出した時、その根底には病後の早期回復を願う人々への慈愛の精神があり、それが私たちの心と体を動かす源となったのかもしれません。
- 「鹿スキップ」と「角まわし」が特に気持ちよかったです
- クラスで練習している混元太極拳よりも「鹿戯」の方が簡単でした
- 次回はぜひ夏の「猿戯」にも挑戦したいです
シーズン毎のイベントを実施予定


第一回目ということもあり、待ち合わせや場所選びやなど少し不安なところもありましたが、当日は4月下旬の快適な気候の中で晴天にも恵まれ、タンポポの花が咲き乱れる春の野川公園で皆さんと鹿のように伸びたり跳ねたりと、楽しい時間を過ごしました。
次回は夏の猿戯を開催予定です!