井の頭公園で陳式太極拳

井の頭公園で太極拳 横山春光

前回のブログから4か月も経ってしまって自分でも驚いていますが、12月の後半になってやっと冬らしくなり、天気の良い日は早朝の井の頭公園で、この時期にしか体験できない練習をしています。

いまちょうど冬至なので一年の中では陰の気が最も強く、夜明け前は全ての命が眠っているような雰囲気です(カラスは鳴いていますが)

特に風のない日は東京とは思えない静寂に包まれていて、ゆっくりとした太極拳の動きでもとてもダイナミックに感じます。

陳式心意混元太極拳の創始者でる馮志強老師は、太極拳の動きを「空気中の遊泳である」と表現していますが、薄暗いほぼ無音の中で行う太極拳は、まるで水中で自分だけが遊泳しているような感覚を覚えます。

そんな不思議で孤独な時間は、夜明けと共に目覚める動植物たちと響き合うように、一秒一秒と目まぐるしく変化し、15分程度で公園内はすっかり賑やかになります。

こんな風に“夜明け”という陰陽が明確に変化する時間帯に練習をすると、私たちの体内時計は正常化し、普段の何倍も功夫が積めるのですが、特に冬はその効果が高いと言われています。

体調が優れない日は、太陽が昇り切ってから練習を始めたほうが“陽の気”を早く取り込めるので回復しやすいですが、特に問題のない日は少々起きるのが辛くても「えいっ!」と起きて練習に行ってしまった方が、その後の一日を元気に過ごせます。

寝起きの身体は不安定なので、一人では正確な体調や周りの状態を把握しづらいですが、公園で身体を動かすことを日々の習慣にしてしまえば、動植物たちがその日の世界を教えてくれるような気がします。

この記事を書いた人

日本中国伝統功夫研究会の会長。八卦掌と太極拳と華佗五禽戯の講師。中国武術段位5段/HSK6級/中国留学歴6年(北京市・河南省)

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