活動再開を祝して ~盟友との宴~

2024年の新年1月6日に、昨年八卦掌クラスで再会した12年来の盟友が、会の活動再開を祝して吉祥寺聘珍楼に招待してくれました。

会場となった個室の円卓の席は、私が中国に武術留学していた頃に老師を招いて会食を開いていた席と全く同じで、上座に案内されたときは「ついにこの位置に座れる夢が叶った」と思い感無量でした。

八卦掌の師がアメリカNYに移住されて、その後新型コロナウイルスの流行で世界が変化したことで、私の八卦掌正統継承者への道も諦めざるを得なくなりましたが、26歳から太極拳を学び始め、人生で一番輝いていた十数年間を中国武術に捧げた過去は、きっと未来に繋がっているんだなと改めて嚙みしめるような気持になりました。

生い立ちが原因で親族や血縁者のいない私にとって、八卦掌継承者になることは揺るがない生き方と決して失わない家族を得られる唯一の方法でしたが、そうまでしなくても、自分を信じてこれまで学んできたことを教室で真摯に伝えていくことで、温かい縁は紡がれるのだなと思います。

広東料理のフルコースを食べながら紹興酒を飲んで、昔の思い出話やこれからの教室の指導法などを語り、お互いの近況を報告したりしていると、人と人とが触れ合えるあたりまえの世界が改めて大切に思え、残された人生の時間を思いっきり生きたいと思いました。

本格的なお料理と語らいに酔いしれて、肝心の「フカヒレ入り壷蒸しスープ」の写真を取り忘れたことが唯一悔いたことでした。どれも本当に美味しかったです。

昨年の7月に吉祥寺のスタジオで八卦掌クラスを開講して半年、正直こんなに早く本格的に活動できるようになるとは思っていませんでした。

これまで太極拳や八卦掌を伝えてきてくださった歴代の継承者の方々、愛好者の方々、そしてこれから学ぼうと決心した方々、みなさんの人生が触れ合う縁に恵まれてこれからも頑張っていこうと思います。

この記事を書いた人

日本中国伝統功夫研究会の会長。八卦掌と太極拳と華佗五禽戯の講師。中国武術段位5段/HSK6級/中国留学歴6年(北京市・河南省)

目次