小金井公園へ梅見に行ってきました

先日の月曜日、午前中に時間が空いたので小金井公園に梅の花を見に行きました。

小金井公園は当会のおすすめ練習スポットの一つで、都内有数の桜の名所です。お花見シーズンの週末は花見客と屋台で賑わいを見せますが、桜に先立って咲く梅の花の時期は寒さのせいか人出も少なく、特に平日は静かに梅を愛でることができます。

吉祥寺からアクセスの良い大型有料公園や施設の多くは月曜休館で、人気の飲食店も定休日が多い中、小金井公園と野川公園は入場無料で年中無休のため、月曜日に時間のある日はとても貴重な存在です。

東小金井駅で下車

吉祥寺から小金井公園への行程は、路線バスかJR中央線が定番です。現在、JR中央線快速と青梅線では、2階建てグリーン車が順次導入されていて、2025年3月14日まで料金不要(普通車扱い)なので、グリーン車両で優雅に移動しました。

中央線快速・青梅線グリーン車
新しく導入される中央線快速・青梅線のグリーン車(2階座席)

バスに乗り換えるために3駅先の東小金井駅で下車するつもりでしたが、グリーン車両の非日常的な雰囲気に旅気分のスイッチが入ってしまい「このまま遠くに出かけてみるのもいいのでは!」という衝動に駆られました。幸いにも乗った電車が武蔵小金井止まりだったおかげで、大きな葛藤もなく思いとどまることができました。

この日は、公園に入る前にお気に入りの豆腐屋さんで「おからドーナツ」をテイクアウトしたかったので、CoCoバス(小金井市コミュニティバス)を利用。

CoCoバスは乗車賃が安い代わりに待ち時間が長いので、隙間時間を活用して八卦掌の基本練習をします(写真の形でひたすら重心移動を繰り返します)

北東部循環の「桜町病院入口」で降りると、向かいに最初の目的地、手作り豆腐店『マルエ食品』があります。小金井市の学校給食に豆腐を納入しているというマルエ食品さんは、店頭で自家栽培の朝採れ野菜も販売している現代では珍しい昔ながらの街のお豆腐屋さんです。

周辺は住宅地ですが、冬の朝に大豆を茹でる湯気と香りが通りに漂うと、なんとも言えない生活の息吹を感じます(数年前に近所に住んでいたことがあります)。このような伝統あるお店が、これからも地域に根付き続けてほしいと心から願っているので、近くを訪れた方はぜひマルエ食品さんでお買い物を楽しんでください!

地元で愛されているお豆腐屋さん「マルエ食品」

豆乳とおからドーナツを購入しようとしたところ、ちょうど畑から収穫したばかりだというほうれん草を店頭に並べていたので、それも一袋購入しました。いつも思うことは、お店の方々が皆さん肌がとてもお綺麗だということです、やっぱり大豆は健康食品なのだと改めて実感します(私の動脈硬化改善の秘訣も食事療法です)

咲き始めの梅林が目に優しい

作りたての温かい豆乳が冷めないうちに、ポカポカと心地よい陽気の公園に入ると、目の前に広がる梅の花に自然と心が弾みました。

青空に咲き始めの花が目に優しい

咲き始めた紅白の梅花が青空に映え、吸い込まれそうな美しさです。この「咲き始め」の雰囲気には、満開時の華やかさとは異なる情緒と静かな躍動感があり、私には特別な魅力を感じます。

梅林には、この瞬間を写真に収めようとシャッターを切る人たちもちらほら(かくいう私もその一人です)。気温の上昇とともに漂い始める梅の香りを楽しみながら、梅の花に集まるメジロやミツバチの姿をカメラで追いかけていると、春の訪れを感じて嬉しい気持ちになりました。

思わずはしゃいでしまったため、結局豆乳は冷めてしまいましたが、東屋で優しい味のおからドーナツを食べながら一緒に飲むと、とても美味しかったです。

朝の日差しを浴びながらゆったり梅の花を堪能しました。公園練習のプロフェッショナルである横山会長は「公園練習の極意はまず公園の自然と波長を合わせること」とよくおっしゃっているので、私も焦って練習をせずに、まずは公園を楽しむことを大切にしています。この日は梅の気と大豆効果でまさに心身ともにリフレッシュできました!

ひとしきり梅を観察した後は、小金井公園内の練習スポットを散策しました。園内は面積約80ヘクタールと広大なので、移動だけでも気がつくと30分近く歩いたりします。

菜の花や天人唐草など、梅以外の春の花も眺めながら、たどり着いた練習スポットで軽く体を動かしては、また移動する。ということを繰り返していると、あっという間に予定していた食事の時間になりました。

予定外の事態が発生

散策の後は『そば茶屋 さくら』の季節限定メニューの「梅とろろ蕎麦」がお目当てだったのですが、開店時間に訪れてみるとシャッターが下りたまま。嫌な予感がして調べてみると、この日は公園内の電気設備点検日で休業とのこと。「なんということだ!」思わず立ち尽くしてしまいました。ぶらぶら歩きにはありがちなハプニング、だがどうする?

新しいお店を開拓

完全に胃がお蕎麦を迎え入れる状態だったので、どうしたものかと頭を抱えましたが、「計画没有変化快」という中国の諺を思い出して、気分を切り替えることにしました。

スマホで検索してみると、気になった飲食店はことごとく定休日です(月曜定休のお店のなんと多いことよ)。やっと見つけた月曜営業の『同心居(花小金井店)』さんも中国料理ということで、「蕎麦とはずいぶん趣が違う」と躊躇しましたが、ここで迷うとランチタイムを逃してしまうと危惧し、11時半の開店時間を目指して足を運ぶことにしました。

ぶらぶら歩きの醍醐味

急遽ランチに訪れた同心居(とんしんじゅ)さんは、新鮮食材がこだわりの中国料理店で、開店前からすでに並んでいる人たちがいました。名店との出会いの予感です。

白を基調とした清潔感のある店内には生花が飾られ、まるで高級レストランのような雰囲気でしたが、カジュアルに利用できるらしく豊富なランチメニューが揃っていたので、私は「海鮮五目やきそば」のランチセットを注文しました。

同心居(花小金井店)の海鮮五目やきそばランチ
同心居(花小金井店)の海鮮五目やきそばランチ

エビやホタテなどの海鮮は大ぶりで新鮮、野菜もたっぷりでヘルシー、点心の太春巻きも具材がたっぷりで、とても美味しく空腹も満たされました。小金井公園という最強の練習スポット近くに、こんな素晴らしい中国料理店を図らずも見つけることができるとは、なんという僥倖!「行きつけのお店」確定です。

同心居さんとお勧め料理については、改めて紹介したいと思いますが、これぞ、ぶらぶら歩きの醍醐味だと思いました。

中国の習慣「リューダ リューダ」

中国語でぶらぶら歩きのことを「溜达」(リューダ)と言うそうです。何とも言えない楽しそうな響きです。

自然に身を任せて、心身をリラックスさせて、心の赴くままに足を運ぶことを「溜达溜达」(リューダ リューダ)と言って、中国の健康的なライフスタイルの一つとして親しまれているそうです。

平日の公園では静かな時間が流れ、人も少ないので贅沢な気分を味わえます。こんな日に「溜达溜达」する時間は、私のカンフーライフを豊かにする大切な一部となっています。

何かと生きづらい社会で、それでも人間らしく生きていたいと思う私の日常でした。

この記事を書いた人

吉祥寺カンフーライフ代表/指導員
青森県出身。東京大学教育学部卒。
一般企業に就職したしたものの行政書士試験合格を機に退職し、東京大学大学院で中国教育行政史を研究。その後、教育法務や企業法務に携わりながら中国思想を学ぶ。
40歳を過ぎて中国武術の論理的な学習法に出会ったことでカンフーライフに目覚める。初心者でもわかりやすい指導法が得意。

目次