「旧御凉亭」が異彩を放つ、憩いの近代西洋庭園
新宿御苑は、江戸時代に徳川家康の家臣・内藤清成が賜った大名屋敷がルーツとされており、その後の変遷を経て、1906年(明治39年)に皇室庭園として誕生、外交のためのパレスガーデンとして発展し、戦後の1949年(昭和24年)に国民公園として一般に公開されたそうです。
新宿御苑が位置する内藤新宿界隈は歴史的にも意義あるエリアであり、甲州街道最初の宿場である内藤新宿、甲州街道と青梅街道の分岐点である新宿追分(新宿伊勢丹前交差点)が近くにあります。さらに大木戸門近くの四谷大木戸は、小金井公園~井の頭公園~新宿御苑と、主要なおすすめ練習スポットを共通して流れる玉川上水の終着点でもあり、吉祥寺エリアを中心に公園練習をしている身にとって感慨深い地点です。
新宿御苑は、ヨーロッパ式整形庭園、風景式庭園、そして日本庭園を備えた、明治時代を代表する近代庭園です。新宿の都心に位置しながらも、都会の喧騒から離れ、四季の移ろいを感じながら心穏やかに散策を楽しむことができます。休憩所や食事処も庭園の雰囲気に調和した趣のある佇まいで、まさに癒しと憩いのスポットと言えます。
中国武術の練習場所という観点では、長時間の激しい練習には適していませんが、散策・練習・休憩を自由に組み合わせられるため、工夫次第で様々な活用が可能な都会の貴重な練習スポットとなります。有料公園なので躊躇することもあるかもしれませんが、ジョギングをする人や軽い運動に取り組んでいるグループも見られるので、ルールを守って適切な場所を選べば十分に練習できます。
旧御凉亭(きゅうごりょうてい)
私が特に気に入っている場所は、日本庭園エリアにある本格的中国風建築「旧御凉亭」です。

旧御凉亭は、1927年(昭和2年)に昭和天皇の御成婚記念として台湾在住邦人の有志により寄贈された本格的中国風建築物だそうです。設計者は建築家・森山松之助で「水の上に建つ御休息所」「夏の御散策の際に涼をとる建物」が設計コンセプトだとされています。戦火で消失することなく戦後を迎え、現在は東京都選定歴史的建造物となっています。
練習の合間に立ち寄って眼下に池と日本庭園を眺めれば、心が落ち着き練習へのモチベーションも高まります。
お花見シーズンは国内外の観光客で大混雑して入場規制がかかり、売店のメニューも特別仕様(価格も含め)になるため敷居が高くなりますが、シーズンオフを狙ったりテイクアウトを利用すれば、意外と気軽に一日中練習漬けを楽しむことができます。
ギャラリー






公園名称 | 新宿御苑 |
所 在 地 | 東京都新宿区内藤町11 |
アクセス | 吉祥寺駅から電車で約15分、JR「新宿」下車 徒歩10分 ※その他のアクセス方法については、公式サイトを参照↓ |
URL | https://fng.or.jp/shinjuku/ |
※記事の内容は執筆時のものです(適宜更新しますので「更新日時」をご確認ください)
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