ヒガンバナ咲いた

2025年井の頭公園の彼岸花

「今日の何処何処は、統計開始以来最も高かった30云々℃でした」という連日の気象ニュースにうんざりした夏もようやく過ぎ去り、9月中旬には井の頭公園のヒガンバナが次々と開花すると、炎天下で閑散としていた公園内にも活気が戻ってきました。

7月と8月は猛暑によるクラスの休講や私の体調不良など不安定な状況が続いていましたが、9月からは通常の状態に戻っています。

井の頭公園での自主練習も9月から再開したので、過ごしやすい天気や時間帯を選んで散策と公園練習を満喫しながら、日々移り変わる自然の姿を観察しています。

昨年の夏も暑さに辟易していたのですが、そのうち秋が来て涼しくなるだろうと楽観視していたら、あっという間に12月になってしまい、「秋はどこへ行った?」とがっかりしてしまったので、今年は抜け目なく積極的に秋を探しに出かけています。

散策と太極拳学習の類似点

井の頭公園にはメインの遊歩道の他に、「緑の小径」を代表とする隠れた小径がいくつかあるのですが、最近になって吉祥寺通りに面する野球場の脇に新たな小径を発見しました。

小田急バスの「明星学園前」バス停留所から、井の頭公園の最南端である「遊びの広場」まで通じていて、野球場を半周するコースとなっています。

まるで木立で隠すように作られた小径は地形に沿って傾斜があり、外からはほとんど見えません。今まで散々歩き回ったことのある場所で新しい道を見つける感覚は、太極拳の練習と似ています。

誰かに先導されて歩く道は安心して景色を楽しめますが、自分で歩く醍醐味はありません。でも、気に入った道なら今度は自分の意思で再びその道を歩こうとします。しかし、先導がいなくては効率が悪く景色を楽しむ余裕がありません。

同じ道を何度も歩けば、そのうち飽きて新鮮さもなくなります。

でも、そこで気がつくことがあります。「焦ってはいないか?」、「何を見たいと思っているのか?」、「本当はどこへ行きたいのか?」

習慣になっている行動を放棄して、自分の感性に素直になれたとき、今まで見えなかった道を発見できる感覚は、そのまま太極拳の練習と同じだと思います。

まだまだ緑豊かな井の頭公園

小径を散策した後は、真夏の時期に公園練習ができなかったので、久しぶりに当サイトで紹介している井の頭公園の「おすすめ練習スポット」を巡りましたが、まだまだ緑が豊かで夏の勢いが残っていたので嬉しくなりました。

今年の残り3か月を充実した時間にしようとやる気が湧き上がってきたので、秋から初夏にかけての井の頭公園の雑木林は、本当に私のエネルギーの源です。

その日の天気やコンディションに合わせて、練習内容を決めたり公園内を移動したりするアクティブなシーズンの到来に心躍らせながら、さらに歩き続けると、草葉の陰では昆虫たちも活発に活動していました。

越冬するか、寿命を迎えるか、昆虫たちにとっては冬に向けてのサバイバルが始まっていますが、冬が本番の北派武術(太極拳・八卦掌)の練習は、これからが本番です。

夏と秋が混じり合う季節

井の頭公園の面白いところは、園内を歩いていると時々「前線」(暖気と寒気の境界線)に出会うことです。

街中を歩いていても、角を曲がると風が吹いていたり暑かったりと変化を感じますが、公園内の気団はもっと鮮明で、まるで生き物のように躍動感があります。季節の変わり目に自然が豊かな場所に出かける際は、ぜひ感じてみてください。

人工的な建物に囲まれた環境で生活していると、季節感がどうしても鈍くなってしまいますが、自然の営みを眺め、外気に触れるだけでも、心と体が季節のリズムに同調していきます。

「nido」井の頭公園店がオープン

散策の後は、当サイトの「吉祥寺グルメ散歩+」でも紹介している、善福寺公園近くにあるコーヒスタンド nido(ニド)さんの、待望の井の頭公園店が先月オープンしたので行ってきました。

ペット同伴OKなカフェなのですが、試しに店員さんに聞いてみたら、ワンちゃんネコちゃん、そして鳥さんから爬虫類さんまで家族なら同伴OKだそうです。

nido 井の頭公園店
「nido」井の頭公園店

オシャレな店内と壁面のアート、そしてセンスの良いBGMに気後れしそうになりなしたが、本店に行ったことがあるという心の余裕と、店内でお利口さんに佇んでいる可愛いワンちゃんに惹かれて無事入店できました。

新しい季節に、新しいドリンクを飲んで、心も体もリフレッシュして夏の疲れが癒された9月の井の頭公園だよりでした。

この記事を書いた人

日本中国伝統功夫研究会の会長。八卦掌と太極拳と華佗五禽戯の講師。中国武術段位5段/HSK6級/中国留学歴6年(北京市・河南省)