「随縁」という言葉に支えられて

毎年恒例の梅林早朝練習

気がつけば2026年ももう2か月が過ぎようとしていた三連休の最終日、毎年恒例の都立小金井公園「梅林」での早朝練習に行ってきました。

広大な敷地を誇る小金井公園には、南側の正門口、東口、西口、北口のほか、複数の入口がありますが、どこから入るかによって、目の前に広がる景色は大きく異なります。

この日私は、朝日に向かう西口から公園に入りました。

実は当会では、混元太極拳クラスを開催していたレンタルスタジオが突然移転することになり、昨年末から2月にかけて休日返上で対応に追われていました。その結果、私も疲労困憊の状態に陥っていたのです。

結果として、移転することができず、開講から約2年が経つ混元太極拳クラスは一旦閉講せざるを得なくなりました。あまりに急な展開に、講師も受講生もすぐには気持ちの整理がつかない状況でした。

しかし、時間は止まってくれません。そんな心境だったので、いつもなら吉祥寺駅からバスで乗り換えなしで行ける東口ではなく、電車とバスを乗り継いででも、朝日を拝める西口から入園したいと思ったのです。

あるがままを受け入れ、流れに身を任せる

自分の力不足を感じて落ち込んでいたとき、ふと横山会長が以前話されていた「随縁」という言葉を思い出しました。

「随縁」とは、あるがままを受け入れ、流れに身を任せることです。

困難な状況に直面したときこそ、この言葉の真価が発揮されると気がづきました。すべてを自分の思い通りにコントロールしようとするのではなく、今ある状況を受け入れ、その中でできることに真摯に取り組む。それが「随縁」の精神なのだと思い至りました。

中国伝統武術では「武縁」を重視します。その縁に随うことこそが、普及活動に携わる者のあり方なのだと感じました。

新たな決意

「随縁」という言葉に支えられ、私は改めて決意しました。時代や社会が変化する中でも、横山会長が人生を懸けて中国で学んでこられた中国伝統武術を、私の世代で途絶えさせてはいけない。なんとか次の世代にバトンを渡す方法を考え、その使命を果たすしかない、そう思いました。

当会では、すでに会員専用サイトで程派八卦掌、陳式太極拳、混元太極拳の学習用動画を配信しています。しかし、その枠を超えなければ、縁を繋ぐことは難しい。実際に対面できる教室という形が一番良いことは、未来に渡っても変わらないと思いますが、しかしそれだけに留まれば時代の変化についていけないのではないか。これが私の今の正直な気持ちです。

梅の香りに包まれて

早朝の澄んだ空の下、梅の香りが漂う梅林で「降気洗臓功」を行いました。朝の光に照らされた梅の花々と、その清らかな香りに包まれていると、心身ともにリセットされていくのを感じました。

今回閉講となった混元太極拳クラス、そして新規開講を見送った陳式太極拳・新架クラスは、いつか再開したいと思っています。

今後も困難な状況や変化を余儀なくされることがあるかもしれませんが、そんな時こそ「随縁」の言葉を思い出し、迷わず進んでいきたいと思います。

この記事を書いた人

吉祥寺カンフーライフ代表/指導員
青森県出身。東京大学教育学部卒。
一般企業に就職したしたものの行政書士試験合格を機に退職し、東京大学大学院で中国教育行政史を研究。その後、教育法務や企業法務に携わりながら中国思想を学ぶ。
40歳を過ぎて中国武術の論理的な学習法に出会ったことでカンフーライフに目覚める。初心者でもわかりやすい指導法が得意。