遠く海の向こうの大陸に、まだ知らない世界があり、そこで暮らす人々の知恵や技術があります。
中国武術は心身の鍛錬、養生、修養だけではなく、私たち日本人の文化や習慣をより深く知る手掛かりにもなります。一度身に付ければ生涯に渡って失うことはなく、自分自身の財産となります。

会長 横山春光(Yokoyama Shunko)
1976年生まれ 宮崎県出身
5歳で「日本舞踊楳若流」を学び、高校卒業後は上京し独学でwebデザインの職に就く。
その後会社を辞め、中国武術の道に進む。2004年中国武術留学を開始。
2008年「日本中国伝統功夫研究会」を設立。太極拳、八卦掌、養生法の指導を務めている。
中国武術段位5段/HSK6級/中国留学歴6年
ご挨拶
当会の公式サイトをご覧いただき、誠にありがとうございます。日本中国伝統功夫研究会会長の横山春光です。
私は幼い頃から武術を学んできたわけではありません、ましてや体も丈夫ではなく、九州の実家から上京し会社に勤めていた頃は、駅の階段も息が切れて昇れないほどの虚弱体質でした。体が丈夫でないということは、生きていく上でとても自信を失うものです。
しかし私は、太極拳に出会い人生が変わりました。それまで嵐のように過ぎていた日々が変化しました、自然の力に従うことがとても心地良いことに気がついたのです。
そして静かに自分自身に問いかけてみました、「自分が本当にやりたいことは何だろう?」
出てきた答えは「生命の意味を知ること」でした、そしてその実践方法が私にとって太極拳だったのです。
その後中国へ渡り本格的に太極拳を学びました。しかし中国武術の本場に渡って初めて自分に合うもの合わないものを目の当たりにし、非常に悩んだ時期がありました。留学生活の焦りから一日8時間も闇雲に練習に取り組んだり、大会に出場するために自分に合わない動きを体に鞭打って練習したり、そのようなことを続け、終には体力と精神力の限界を感じ、行き詰った時期もありました。
そして2007年の冬、もう武術を学ぶのは断念しようと諦めかけた時、八卦掌第五代継承者である麻林城老師に出逢いました。
麻林城老師は、方向性を失い無理な鍛練を重ね衰弱していた私に、こう教えてくださいました。
「本物の練功とは、人を消耗させるものではない。練功を重ねるほど、さらにその奥深さを知りたくなり、精神と身体に幸福をもたらしてくれるもの、それこそが真の練功法である」
「現代の中国にまだ本物の伝統功夫は存在するのか? 答えは、ある。そしてそれは次の世代へ向けて伝承していかなければならない、それが私の継承者としての使命である」
「そして中国伝統功夫とは、単なる武術における技術力を指すだけではなく、人間の智慧と魂が築き上げた、天と人が合一する手段である。この最高境地を次の世代に伝えなければならない」
麻林城老師のこの言葉が、諦めかけていた私の心を再び奮い立たせてくれました。
もう一度初心に戻り、真新な気持ちで一から正しい中国伝統功夫の精神と鍛錬法を学ぼうと決意したのです。
中国伝統功夫は、決して無理な練習をして体を酷使するものではありません。それぞれの人がそれぞれの生活に適した練習を行うことができます。
特に太極拳や八卦掌、気功法といった内面を磨く鍛錬方法は、高齢になったとしても功夫を境地として高め続けることができるので、社会がどんなに変化しても変わらない恩恵を受けることができます。
過去を振り返り、あの崖っぷちに立たされていた自分を忘れず、健康の喜びと中国伝統功夫の智慧を学ぶ幸福を、一人でも多くの人々と分かち合いたいという願いを抱き、『日本中国伝統功夫研究会』の活動に取り組んでいきたいと思います。
2009年、冬・北京
日本中国伝統功夫研究会 横山春光
関連記事



