「吉祥寺カンフーライフ」の由来
当会で使用している『カンフーライフ』という言葉は、もともとは公式サイトのドメイン(kungfu-life.com)として考えたものですが、「中国武術の練習方法や考え方は特殊なものではなく、ごく日常的な生活に通じるものである」という中国伝統武術の思想を表現したものです。「毎日コツコツ練習する、でも決して無理はしない、その土地の人・街・自然を感じながら生きていく」それが私たちの活動理念です。
私たちは武蔵野吉祥寺に縁があるということで「吉祥寺カンフーライフ」というスローガンを元に、吉祥寺・三鷹エリアを中心に八卦掌と太極拳の普及活動を通じて、共にささやかに生きる喜びを感じながら武蔵野の森の四季の変化とカンフーライフをお伝えしていきたいと思っています。
「kungfu-life.com」への思い
「kungfu-life.com」は、横山春光会長がまだ中国に留学中だった2008年当時、帰国後の普及活動のためにwebサイトを作成したときに取得したドメインです。
お世話になった老師方への感謝の気持ちや仲間たちとの友情、自分が学んだことの意味などを短いアルファベットで表すのに何がふさわしいのか、会長は数日間悩んだ末、最終的にこのドメイン名に決めたそうです。
現地の知り合いからの評判が良く「kungfu-life、カンフーライフ、功夫的生活、とてもいいじゃない!あなたの目標にピッタリね、だって功夫は生活の中のすべてにあるものだから」と口を揃えて支持してくれたそうです。これには中国における「カンフー(功夫)」の意味が関係しているように思われます。
「カンフー」とは?
日本や海外でカンフー(功夫)というと中国武術の総称ですが、中国においての功夫の意味は長期間の修行の末に身に着いた実力のことを指します。また武術に限定されず、芸術や学問、職業からスポーツに至るまでさまざまな分野で使われます。それ以外にも「手間暇」「努力」「時間」という意味もあり、いずれにせよ簡単に達成できないことを表すので、中国人は「カンフーライフ」と聞くと、毎日毎日コツコツ修行している生活をイメージするのだと思います。
コロナ禍を経て活動再開
とても前向きで自然体な「カンフーライフ」という考え方ですが、コロナ禍を挟んだ活動休止の時期には「中国武術は現代を生きるために必須ではない」とまで考えたこともありました。
中国武術に限らず「趣味は人生を豊かにする」と当然のように考えられてきましたが、災害や感染症、またそれに伴う経済危機で簡単に生活が一変してしまうのを目の当たりにして「趣味の時代は終わった」「みんな日々の生活や老後のお金のことで頭がいっぱい」という考えに支配されそうになりました。
そのような閉塞感が漂うなかで、会長がかつて活動の拠点としていた吉祥寺に再び住居を移した頃、コロナ禍が明けてマスク着用義務が解除になりました。会長が笑顔で街を歩く人々を見かけたとき、それまでの迷いが吹っ切れて、街と人と自然と共にささやかに生きる幸せを感じることができたことが活動再開のきっかけとなりました。
やはり、私たちにとって普段の何気ない生活がいかに大切か、を知ることができるエピソードだと思います。
「カンフーライフ」は人生プロジェクト
会長が中国で教えを受け直接その姿を目の当たりにした中国伝統武術の老師方(馮志強老師、董文煥老師、卜文徳老師)、そして会長が麻林城老師から聞き伝えられた許立坊老師は、いずれも文化大革命という時代を乗り越えて、決して武術を捨てることなく「功夫的生活」を生涯貫き伝承と普及を諦めなかった大武術家です。武徳とは如何なるものかを知ることができるエピソードや、それぞれ純粋で深みのある魅力的な人柄は現代を生きる私たちにとっても人生の大先達です。老師方の生き様はカンフーライフそのもので、カンフーライフとは人生プロジェクトだと言えます。
当会における活動も、カンフーライフプロジェクトだと考えています。
それぞれの土地でカンフーライフを楽しんで欲しい
私たちは武蔵野吉祥寺に縁があって、「吉祥寺カンフーライフ」を実践しようとしていますが、吉祥寺に縁はないが「カンフーライフ」には興味があるという方は、ぜひその土地のカンフーライフにチャレンジして満喫していただきたいと思います。
吉祥寺に縁があり教室活動を通じて交流できる方々だけでなく、遠方ではあるけれど当会が発信するカンフーライフに共感いただける方々に向けて、この公式サイトやSNSでプロジェクト活動をささやかながら発信していきたいと思います。
2025年1月 大寒 田中稜月