【三鷹市】天神山城跡(新川天神山青少年広場)

天神山城跡(新川天神山青少年広場)

吉祥寺近郊の仙川沿いの山城跡

吉祥寺からはやや離れてはいますが、「三鷹市立仙川平和公園」から「仙川崖線緑地」(京王線仙川駅近く)まで南下する「仙川遊歩道」沿いには、武蔵野の雑木林や歴史、文化を感じられる公園が点在し、自然と四季を感じながら練習できる恵まれたエリアです。

天神山城跡(新川天神山青少年広場)は、仙川平和公園と仙川崖線緑地のほぼ中間点にあり、三鷹市が作成した説明ボードによれば、詳細は不明ながら戦国時代の山城の跡だとされています。西側を流れる仙川に囲まれた小高い丘には、かつて城郭があったとされ、実際に訪れると雑木林に囲まれた舞台のような景観が広がり、まるで古へタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。

小さな優良練習スポット

天神山城跡は決して広くはないので、個人や少人数の練習に適していて、隠れ家的な練習スポットの風情があります。複数の小規模なエリアに分かれているという特徴は、一見するとデメリットのようですが、むしろ目的に応じてエリアを使い分けられるというメリットにもなっています。

まず、仙川沿いの城跡入口にある低地は、イチョウの木陰が心地よい横長の広場なので、左右への移動を伴う広いスペースが必要な伝統太極拳の練習に適しています。また、仙川に面しているため静寂な環境が求められる気功法もおすすめです。

伝統太極拳の練習に適している

次に、低地から階段を上がると高台のメインエリアに到着します。やや滑りやすい土の地面や傾斜に囲まれた立地を特徴とするこのエリアは、高度なバランス感覚を磨くことができる、上級者向けの練習環境です。

天神山城跡の一番高いエリア

個人的に気に入ってる練習は八卦掌で、空高く伸びる木々の梢に囲まれた環境で、天に向かって掌を突き上げる動作がとても心地よく感じられます。ゆっくりとした動作の練習よりも、八卦掌なら連環掌、陳式太極拳なら老架二路などの練習に集中できます。

天神山の由来

「天神山」の名称の由来は、かつてこの地に新川天神社(現在は天神山から900mほど北に遷座)が鎮座していたからだそうです。そのせいか、神社の境内のような凜とした引き締まった空気が今も漂い、練習に集中しやすい環境になっているのだと思います。

天神山城跡は、広くはないものの「クセの強い」公園ですが、実際に練習してみると集中力が高まる、隠れた優良練習スポットといえます。背の高い樹々に囲まれた静謐な空間で、どこまでも高く広がる空の下、しばし日常から離れて練習に集中することができます。

仙川遊歩道を歩く

「仙川平和公園」から「仙川崖線緑地」までの仙川遊歩道は、徒歩で約1時間です。平和公園~丸池雑木林公園~三鷹市立丸池公園~天神山城跡を巡るコースでは、水辺の水鳥観察や雑木林での森林浴が楽しめます。また、丸池公園に隣接する勝淵神社(戦国武将・柴田勝家の兜塚があります)や天神山城跡など歴史散歩も楽しめるので、練習と散策におすすめです。

立ち寄りスポット

勝淵神社
地域の人々の手で復活した「丸池」

春は仙川沿いの桜と菜の花、初夏の新緑、秋のイチョウの紅葉など、水辺の四季を独り占めしながら練習できる、密かな練習スポットが点在しています。丸池公園の多彩な樹々(地元小学校の記念樹だそうです)の木の花、木の実、紅葉にも心が癒されます。

この水と緑が豊かな里山の風景は、平成に入ってから「丸池の里」として地域の人々の手によって復活したものだそうです。仙川遊歩道から丸池公園を抜け、民家の間の路地を通って古の山城跡・天神山へと至る道のりには、自然と人が織りなす優しさが感じられます。何度でも足を運びたくなる、武蔵野らしさが溢れる特別なエリアです。

ギャラリー

向いている練習内容
  • 基本功(省スペースでOK)
  • 站椿功(静かな環境が必要)
  • 套路(広い場所が必要)
  • 器械法(広い場所が必要)
こんな練習ができるよ!
雰囲気
しずか
にぎやか
混雑
少ない
多い
広さ
狭い
広い
駅からの距離
近い
遠い

樹高の高い雑木林に囲まれて木陰で練習ができる
仙川遊歩道の散策途中に練習ができる
ベンチあり、水飲み場あり、公衆トイレあり

自動販売機、コンビニのいずれも近くにない

公園名称天神山城跡(新川天神山青少年広場)
所 在 地東京都三鷹市新川2-5-38
アクセス吉祥寺駅からバスで約10分、バス停「南新川」下車、仙川遊歩道沿いに徒歩約20分
URLhttps://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/089/089675.html ※三鷹市公園紹介ページ

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この記事を書いた人

吉祥寺カンフーライフ代表/指導員
青森県出身。東京大学教育学部卒。
一般企業に就職したしたものの行政書士試験合格を機に退職し、東京大学大学院で中国教育行政史を研究。その後、教育法務や企業法務に携わりながら中国思想を学ぶ。
40歳を過ぎて中国武術の論理的な学習法に出会ったことでカンフーライフに目覚める。初心者でもわかりやすい指導法が得意。

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