
八卦掌が生み出す動き
八卦掌の特徴である「らせん」と「ねじり」の動きは、全身の関節と筋肉を柔軟に使います。
経絡を流れる気血の巡りを促し、内臓や血管を健やかに保ち、しなやかな心と身体の動きを鍛えることができます。
螺旋(らせん)とは
「らせん」とは、方向性を持った円運動のことです。一定の場所に留まらず、常に変化を繰り返す運動法則を指します。八卦掌のらせん運動は、高度な人体力学であると同時に、心身を高い芸術の域まで培う深い理論と実践法を備えています。
長寿の秘訣でもある八卦掌の歩法
本来は武術性の高い八卦掌ですが、愛好者に長寿者が多いことで知られており、その秘密は独特の歩法にあるといわれています。
中国には「人老腿先老」ということわざがあるように、人は脚から老いていきます。八卦掌の歩法から生まれる全身のしなやかな螺旋の動きは、血流を促進し、内臓の機能を整え、さらにバランスと集中力を保ちながら歩くことで脳の働きも活発になり、長寿につながると考えられています。
授業の流れ
授業のはじめに準備運動を行います。この運動から体を八卦掌独特の動きに馴染ませます。
扣歩と擺歩の練習を行います。この二つの歩型が八卦歩法の基礎となります。
「扣歩」は、つま先を内側に入れるだけでなく、膝関節と股関節を内へ合わせ、腰を開いて全身を合にする歩型です。
「擺歩」は、つま先を大きく外側に開く歩型ですが、個人の身体条件に合わせて角度を調節しながら練習できます。


八卦歩法の走圏(そうけん、円を歩く)の練習を行います。
通常の踵から着地する歩行とは異なり、足を平らに持ち上げ、平らに下ろす趟泥歩(タンニーブー)という歩き方で歩きます。
集中して歩くことにより、全身のバランスを整える効果があります。特に体幹の安定性が向上し、姿勢も改善されます。
八卦掌の華麗で美しい動きは、すべてこの八卦歩法から生まれます。円を描くように歩く独特の動作が、流れるような技の基礎となっています。
初心者も上級者も共通して必要な練習方法です。

【基礎クラス】
八大単転掌(はちだいたんてんしょう)
八つの型をとりながら走圏を行い、全身の関節や筋肉の柔軟性を高めます。これにより、体幹の安定性が向上し、動作の連続性と流動性が養われます。
「基礎クラス」の練習内容に含まれる「八大単転掌」は、程派八卦掌の特徴的な八つの型で構成されています。写真は、第七掌「金龍合口掌」(ジンロン ファコウ ジャン)とよばれる型で、各型はそれぞれ異なる部分を鍛え、身体の各部位を効果的に強化することができます。

【中級クラス】
八大母掌(はちだいぼしょう)
「地上に舞い降りた龍」と称される連環掌(れんかんしょう)は、美しく神秘的で、一見すると武術には見えない独特な風格を持つ套路です。その優雅な動作は観る者を魅了し、武術というよりも芸術的な舞のような印象を与えます。
第一掌から第八掌まであり、伸びやかな「らせん運動」を多く含んでいます。各掌にはそれぞれ独自の特徴があり、全体を通して体の内側から湧き上がるような力の流れを感じることができます。

教室紹介

【基礎クラス】日曜/14:30〜
「体験受講」受付中!
太極拳ほど広く知られていませんが、中国武術の中でも特に華麗で美しいと称される程派八卦掌を、基礎から丁寧に学べるクラスです。
円周上を歩きながら、八つのしなやかな螺旋動作で構成される八大単転掌を基礎として習得していきます。

【中級クラス】日曜/14:00〜
当会の「程派八卦掌・基礎クラス」で一定期間学び、基礎を修得した方が受講できるクラスです。
基礎である八つの型を発展させた八大母掌を学び、千変万化する螺旋の動きを習得していきます。
体験受講をご希望の方は「体験受講について」をご確認の上、下記フォームからご連絡ください。
