国木田独歩が愛した武蔵野の雑木林
境山野緑地(さかいさんやりょくち)は、JR武蔵境駅から北側に徒歩約15分、玉川上水の手前の住宅地にひっそりと佇む緑地で、武蔵野の面影を強く残した雑木林が広がり南側のエリアは「独歩の森」として親しまれています。北側のエリアは、旧都立武蔵野青年の家の跡地で、民間に売却されそうになったのを市民の署名活動により武蔵野市が東京都から取得して整備した緑地(2005年開園)だそうです。明治の文豪・国木田独歩の『武蔵野』に登場する「桜橋」が近くにあります。
境山野緑地は住宅地の中にありながら森林浴や自然観察に適した雑木林で、市民ボランティア団体の方々が保全活動を続けているそうです。広く開けた場所は少ないものの、そのおかげで樹々の間に入れば静かに落ち着いて練習できる場所でもあります。緑地の南側には「境山野公園」という子供用遊具のある広場もありますが、緑地・公園全体で見ても「独歩の森」エリアが練習には最適です。
林の中というだけあって、蚊・蜂・虻などの昆虫には注意が必要ですが、それらをうまく避ければ長時間集中して練習することも可能です。自然の中で基本功や站椿功の練習に向いているのはもちろんですが、八卦掌の中級套路(型)など広い場所を必要としない練習にも適しており、貴重な練習スポットです。
周辺にはコンビニや飲食店がないため、近隣の方向けの公園練習スポットと思われがちですが、武蔵境駅とその周辺は魅力的な飲食店が充実しているので、うまく活用すれば長時間の練習も可能ですし、小金井公園、武蔵野中央公園、野川公園、井の頭公園などに移動して複数メニューで練習を組み合わせることもできます。
武蔵境(通称:さかい)周辺は、整った街並みで駅前におしゃれな図書館もあり、2駅離れた吉祥寺とはまた異なった新しさと落ち着いた住みやすさのバランスが人気のエリアです。境山野緑地での練習が心地よいのは「さかい」の街の雰囲気と武蔵野の雑木林の自然とが相まって生み出されたものだと言えます。人の気配を感じながらも静寂で集中できる独特な雰囲気を持つ「独歩の森」は、公園練習デビューに戸惑いを感じている方にもお勧めできる練習スポットです。
ギャラリー
公園名称 | 境山野緑地 |
所 在 地 | 東京都武蔵野市境4-5 |
アクセス | 吉祥寺駅から電車で約5分、JR武蔵境駅下車徒歩約15分 |
URL | https://www.city.musashino.lg.jp/shisetsu_annai/koen_shiminnouen/sakai/1000782.html |
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