夏ノ暑サニモマケヌ雛鳥

カイツブリの親子

真夏日が続いた7月が過ぎ、8月に入ると35度を超えてもあまり驚かなくなってきたので、久しぶりに井の頭公園に行ってきました。

早朝の時間帯でしたが、園内ではジョギングをしている人以外ほとんど運動している人を見かけませんでした(年間通して走っている方たちは本当に凄いと思います。真功夫!)。また、生き物の姿もあまり見られませんでした。

そんな井の頭池で見つけたのが、1か月前まではまだ小さくて親鳥の背中に隠れていたカイツブリの雛が立派に成長している姿でした。

私が見かけた時は、たまたま親鳥が捕まえてきた魚を捕まえる練習だったのか、親鳥の前で捉えた魚を誇らしげに咥える表情は眼光鋭く、まさに親譲りの面構え!もうこんなに成長していたのか!

親鳥が水中に潜るとまだ不安そうでしたが、長い潜水時間と神出鬼没に水上に現れる親鳥の狩りの姿を真剣に見つめる様子は、もう羽の中に隠れる弱々しい雛鳥ではなく、野生味あふれる立派な野鳥に成長した証。偉い!

暑さに順応してきて体調が良かったこともあり、朝から大興奮です。

静かなる野鳥カワウ

動的なカイツブリ親子とは対照的に、カワウはすぐそばラクウショウの木の上でじっと空を見上げていました。

普段はよく見かける珍しくない野鳥なのに、8月の危険な猛暑で屋内に引きこもっていた私の目には、その姿が神々しく映り、たとえ短期間でも自然界から離れることがいかに心身を弱らせるかを再認識しました。

井の頭公園のカワウ
ほとんど動かないのに存在感のあるカワウ

夏から見られる「木の実」「草の実」

一見すると暗く単調な夏の雑木林ですが、頭上や足元をよく観察すると、小さな花や虫たちが活動しています。この季節から特に魅力を増すのは、色とりどりの様々な形をした木の実や草の実です。

私は井の頭公園の自然観察を始めてまだ2年目なので、気になった植物を見つけては写真を撮って名前を調べる、という段階ですが、この歳になって新しい知識が増えていくのはとても新鮮で、まるで幼少期に戻ったようで楽しいです。

毎月必ずブログを書くようにして、本当に良かったと思っています。

今年の夏を乗り切って

今年の夏は、6月末から前倒しで真夏日が始まり、さらに7月の連日の猛暑で体調を崩してしまいましたが、大事をとって完全休養を取ったことで、新たな身体の発見がありました。

もともと暑さに弱い体質なので、6月に入ると「暑さに負けないようにしなければ!」と気を張りすぎていたことに気づきました。そこで「私は暑さには勝てないんだ、負けてもいいから無理をしないようにしよう」と考え方を変え、気持ちを楽にして過ごしているうちに、体の奥の強張りが緩んできました。

中医学と中国武術に由来する「夏は肉体が弛緩する時期である」という知識はあったのですが、暑さからくるストレスにより、心身の深い部分では逆に緊張状態になっていたのだと思います。

「完全休養」と「暑さに負けてもいい」と考えたことの相乗効果で心身が解放され、同時に体の奥に溜まっていた熱も放出されて、体温調整ができるようになった感覚がありました。

とはいえ、まだ暑い日が続くので、自分の症状をじっくり研究しながら、秋までには皆さんと共有できたらと思っています。

この記事を書いた人

日本中国伝統功夫研究会の会長。八卦掌と太極拳と華佗五禽戯の講師。中国武術段位5段/HSK6級/中国留学歴6年(北京市・河南省)