文/写真:横山春光(会長・講師)
開講して3か月が経過しました
吉祥寺スタジオで開講している「陳式太極拳基礎クラス」は、今年4月に当会で5年ぶりとなる「陳式太極拳クラス」として陳式太極拳中級クラスとともに開講したクラスです。
当会は、私が程派八卦掌第四代継承者である麻林城老師に師事していたため「八卦掌の教室」というイメージが強いようですが、それ以前に陳式太極拳と混元太極拳を学んだことで身についた知識や努力が認められたことで八卦掌を伝承していただけたという経緯があり、太極拳の練習を非常に重視しています。
本場そのままの授業内容
まだ開講したばかりなので少人数体制ですが、①準備運動、②基礎となる纏絲勁(てんしけい)、③套路(型)を中心に、90分の授業時間を中国の太極拳館と同じメニューでコツコツと学習に取り組んでいます。
陳式太極拳は、一般的に普及している太極拳のイメージとは少し違って、学習初期の段階から足腰を徹底的に鍛えていかなければならないので、指導員も受講生も一丸となって練習に取り組んでいます。
もちろん体調が万全でないときや、体に軽い痛みがあるときなどは、参加者それぞれが自分の練習ペースを維持できるよう授業でも負荷を掛けない練習方法を実施しますが、特に問題がない場合は毎回軽い筋肉痛になるくらいの負荷で練習を重ねています。
これも私が本場中国河南省の「陳家溝太極拳館」で学んでいた授業そのままの方法です。
田中代表からの報告
太極拳の入門として、全身の18箇所の可動部分を動かしていく準備運動と、基本功の纏絲勁(てんしけい)の指導を担当して3か月が経ちましたが、自分自身の下盤強化(足腰の強化)にもなりました。
7月7日の授業では、精要十八式の「高探馬(こうたんま)」と「左蹬一跟(ひだりとういっこん)」について、先生より用法を交えながらの指導がありましたが、受講生からも「用法がとてもわかりやすい」と好評でした。
「用法」と言っても、特定の型を使った「技のかけ方」を覚えるのが目的ではなく、身長や骨格、歩幅やリーチ、力の差などを体感しながら研究し、「自分の身体」に「型を落とし込む」ことを重視しているので、未経験者でも太極拳という武術を通して自分の身体を理解したり、心の反応や感覚に注意を向けてみることが、学びにおいて重要だという考え方に基づいています。
正しい動作で、正しく太極拳を行えるようになるのが目的のクラスなので、一つ一つの動作の習得には時間がかかりますが、やりがいと自信に繋がっていく授業だと思います。
気温が連日30度を超え、茹だるような暑さが続いていますが、黄帝内経など中医学の考え方によると、立夏から立秋までのこの時期は、一年の中で最も身体を動かさなければならない時期だそうです。スタジオ内はエアコンで温度管理をしていますが、それでも汗はかきますので、猛暑に負けない体づくりをしたあとは、爽やかな気分で吉祥寺の街でショッピングやグルメ、自然やカルチャーを楽しんで、充実した日曜午前を過ごしてはいかがかでしょうか。
陳式太極拳基礎クラスは「基礎をしっかり身につけてから本格的な太極拳を学びたい」という方を対象とした内容ですが、当会の八卦掌に興味があるけど敷居が高いと感じている方にも、まず基礎知識と体づくりを学べるクラスとしてお勧めしています。