2024年12月「吉祥寺・八卦掌基礎クラス」活動報告

2024年12月「吉祥寺・八卦掌基礎クラス」活動報告

広いスタジオで八卦掌独特の「走圏」練習

吉祥寺スタジオで開講している「八卦掌基礎クラス」では、広いスタジオを最大限に活用して「走圏(そうけん)」を中心に練習しています。

八卦掌は「掌を開いて円周上を回る様に動くのが特徴(出典:Wikipedia)」と一般に言われていますが(より詳細な八卦掌の特徴については程派八卦掌の『特徴』を参照)、「走圏」は、この円周上を回るように動く八卦掌独特の練習法であると同時に八卦掌修得のための必須の練習法でもあります。

当会の全クラスでは「年間スケジュール」に基づく共通メニューと「修得度確認表」による個別課題に取り組んでいますが、八卦掌基礎クラスでは、基本歩法である趟泥歩(タンニィブー)と入門用の型である「八大単転掌」の8つの型を学びながら、本格的な走圏練習に取り組んでいます。

学習初期の段階では真円を描いて歩くのは至難の業なので、フロアに付箋でガイドを作って歩いています。

吉祥寺・八卦掌基礎クラスの走圏練習
走圏練習(円を歩く練習)の風景

単転掌の8つの型を取りながら全身の感覚を駆使して一歩一歩ゆっくり歩くと、約1時間はかかります。現在、受講生3人で走圏練習をしていますが、凛とした静寂の中で黙々と歩く練習は、開始直後は張り詰めたような緊張感がありますが、歩ききった後は心身共に開放感と整った感覚を得られます。

フレキシブルな練習方法

八卦掌学習に必須の「走圏練習」ですが、基礎の段階では膝や足首に負担がかからないように大きな円周上を歩く必要があるので、広い吉祥寺スタジオとはいえ一人一円のスペースを確保すると3人分がやっとです。

本場中国ように広大な土地を有する国であれば練習スペースの確保は日本より容易なのかもしれませんが、狭い日本でどうやって十分な練習スペースを確保するかというと、真円を1/2や1/4分割して練習します。

円を歩く感覚は多少薄れますが、ハーフでもクオーターでも遜色なく身体の開発に取り組めるので、一貫して円を歩く武術である八卦掌ならではの特徴だと思いますし、土地の狭い国でも妥協せずに練習に取り組めるということは、高い習得度を目指せるということでもあります。

さらに、中級から上級へとレベルが上がると関節の可動域や身体の柔軟性も上がるので、小さな円を歩けるようになります。最終的には3歩で一円を回れるようになるので、たたみ半畳もあれば練習可能です。

気候の良い時期に公園で練習すればスペースを気にせず伸び伸びと円を歩けますが、人目が気にならなくなるには相当の時間と慣れが必要なので、それまでは設備の整った教室で基礎力をつけながら、少しずつ自宅や公園へと練習エリアを広げていくことを目指しています。

まだ開講して9か月目なので受講生の数も少なく、殆どの方はまだ教室か自宅で練習に取り組んでいますが、それでも着実に基礎を体得している実力派クラスです。

この記事を書いた人

日本中国伝統功夫研究会代表。八卦掌・太極拳・五禽戯を指導しています。50代の企業法務マン。シニアの生き方としての「カンフーライフ」を模索している。

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