2024年11月「吉祥寺・八卦掌中級クラス」活動報告

2024年11月「吉祥寺・八卦掌中級クラス」活動報告

文:田中稜月(代表・指導員)

公園授業を実施

厳しい残暑が過ぎ、井の頭公園が練習に最適な季節となってきたことから、吉祥寺スタジオで開講している「八卦掌中級クラス」では、10月と11月の晴天日に公園での授業を実施しました。

「中国功夫は公園から生まれる」という言葉がありますが、当会では中国武術の練習に欠かせないものとして公園練習を奨励しています(その一環として練習に適した「おすすめ練習スポット」を紹介しています)

ただ、まだ型をしっかりと覚えていない受講生にとっては公園練習のハードルはとても高いので、横山会長の引率の元に複数名で挑みました。

人工的なスタジオ内の環境とは違い、公園の樹々のなかで自然や季節を感じながら練習に取り組むことは、気分が良いだけではなく上達も望めます。

私自身も初めは人目が気になって、自宅練習からなかなか踏み出せずに躊躇していたのですが、一旦公園練習の効果を知ってしまうと、スタジオ内での練習が物足りなくなるほどの醍醐味を感じます。

そこまで適応できるには、まず安全な場所と相応しい時間を見極めることができ、天候に応じて服装や水分補給などの調節ができるようになる必要があります。そして練習以外の用事も含めて、行き帰りの体力と精神力のコントロールができるようになれば、生活が充実して来るので継続しやすくなります。

まずは公園に行ってみるところから

10月はずいぶん気温が下がったとはいえ日差しはまだ暑かったですが、秋晴れの爽やかな空の下を先生と仲間と共に歩くひとときは、ちょっとした遠足気分で年甲斐もなく胸が弾みました。

おそらく会社では責任のある立場であろう参加者の方々も(私も多少は責任のある立場ですが)、慣れない公園でスポーツウェア姿で辺りを見回している様子は、いつものスタジオ内とは違って生き生きとしているように見えました。

そのあと練習に取り組みましたが、実際に練習してみてみなさんが感じたスタジオ練習との違いは、やはり地面のようでした。周囲に人がいることよりも、スタジオのフラットで何も障害物のない床とは違い、枝や落ち葉がランダムに落ちている地面は「普段と全然違います!」という声が多かったです。

また鏡もないので自分の姿を確認することもできず、横山会長に目線の運び方の指導を受けても「どこを見ていいかわからない」「いつもどこを見て練習していたんだろう?」など、公園ならではの高度な気づきを得られた仲間もいました。

移動時間も含めた授業なので、限られた短い時間でしたが、他にもいろいろな発見があったようです。

「地面は傾斜があって当たり前なんだ」「小石や木の根や草などでデコボコしている上で歩法が安定するにはどうすればいいんだろう」「砂や土の固さや滑りやすさ、どれをとっても一様ではない」「そもそも、落ち葉が積もる場所はその下の地面さえも見えない」など、数え上げると枚挙に遑がない程でした。

中には、早速翌日に一人公演練習デビューを果たした仲間もいて頼もしい限りでした。

当会では、今後も秋や春限定とはなりますが、過ごしやすい季節は有志者限定で公園授業を実施したいと考えています。ただ、虫や花粉や各種アレルギー症状を抱えている受講生で公園授業を望まない方には、通常どおりスタジオ内での授業を行なっています。

12月はいよいよ冬本番となり、北派武術である八卦掌にとって最も練習に適した季節になります。

また有意義な活動報告ができるよう、私も日々鍛錬を積んでいきたいと思います。

私たちの教室に興味のある方は、体験受講の予約を随時受付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

日本中国伝統功夫研究会代表。八卦掌・太極拳・五禽戯を指導しています。50代の企業法務マン。シニアの生き方としての「カンフーライフ」を模索している。

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