第五回「華佗五禽戯」イベントを開催しました

「華佗五禽戯」イベント・鶏戯

2025年11月24日(勤労感謝の日の振替休日)、都立野川公園にて会員限定の第五回「華佗五禽戯」イベントを開催しました。紅葉が色づく爽やかな空の下で、秋の戯である「鳥戯」の練習を通じて肺と体を鍛えました。

田中稜月

この記事を書いた人
吉祥寺カンフーライフ代表/指導員

秋には肺の機能を高める「鳥戯」

鶴です

鳥戯(とりのぎ)とは?

鳥は肺にあたり皮膚を鍛えます。飛翔能力と平衡感覚に優れている鳥の動きを模範することで、気の調和を図り、肺と皮膚の健康を保ち、経絡の流れを改善して病を予防することができます。

特に渡り鳥である鶴は、鳥の中でも長寿で優美さを備え、長時間の飛行中、全身で「気」を呼吸しているといわれています。

「気」と「呼吸」を司る鳥戯は、五禽戯の中でも特別な戯であり、熟練すればまるで空を飛翔しているかのような感覚を得られます。

爽やかな野川公園

秋の野川公園
秋の野川公園

会場の野川公園はおすすめ練習スポットの一つですが、鳥戯では鶴が水辺に降り立ち水浴びをする動作があるので、川のせせらぎを感じることができる絶好の場所です。

吉祥寺方面からはバスでのアクセスが便利です。バス停の野川公園入口を降りてすぐのところに野菜の直売所があるので、野川公園に来るたびにチェックするのが楽しみの一つとなっているのですが、この日はゆずがあったので購入しました(イベント終了後には売り切れていることがあるので、要注意です)

五禽の中で最も動作が多い

華佗五禽戯には、それぞれの動物の生態を反映したストーリーがありますが、そのうち鳥戯は「鶴」を模範にした動作です。鶴は古来中国より縁起の良い吉鳥として日本に伝えられ、おおらかで優雅な姿が万人に愛されています。また、「鶴は千年亀は万年」という言葉でも知られている通り、長寿の象徴でもあります。

そして、五禽戯を締めくくる五番目の鳥戯は、五禽の中で最も動作が多く、難易度も高いのが特徴です。そのため今回のイベントは、11月3日と11月24日の2日間に分けて実施しました。

優雅さの中にも足腰の鍛錬

鳥戯の動作名称は全て「鶴」となっていて、実際には鶴の動作をイメージして行います。日本では、鶴といえば雪の釧路湿原で華麗に舞うタンチョウヅルを思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、その優雅で華麗な翼の動きを生み出す秘訣は、足腰にあります。鳥の高度なバランス感覚と飛翔を支える力は、足腰から生まれるのです。

イベントでは参加者の皆さんに「足腰が辛かったら、軽めの動作でいいですよ」とお伝えしていました。しかし、参加者が全員女性で、バランス感覚と柔軟性が私より高かったためか、振り返ってみると、腰を低く落とす動作も厭わず忠実に取り組んでいたので、その姿に驚かされるとともに感心しました。

帰宅後に熟睡

1日目の11月3日は風がやや強く、途中でにわか雨に見舞われました。一方、2日目の11月24日は快晴で、空が高く澄んだ空気の中、終始心地よく鳥の動きを感じることができました。秋特有の気圧変化による息苦しさも感じず、爽快な一日となりました。

個人的な感想としては、清々しい気分でイベントを終えて帰宅し、昼食を摂った後、強烈な睡魔に襲われて眠り込んでしまいました。体の深部から疲労が溢れ出したようで、目覚めた時には全身が軽くすっきりしていました。

今回参加していた八卦掌クラスの受講生からは、「足腰の鍛錬になり、八卦掌の歩法が安定したように感じます!」という声もありました。私も同じ感覚を得ていたため、イベント後も数日間は鳥戯の効果が続いていました。

当会の華佗五禽戯イベントでは、季節ごとの戯を練習します。中国と日本の四季の共通点や、対応する経絡やつぼを動作を通じて学べる貴重な機会です。

次回は、冬の戯である「虎戯」を開催する予定です!

「華佗五禽戯」イベント・鶏戯
華佗五禽戯「鳥戯」

この記事を書いた人

吉祥寺カンフーライフ代表/指導員
青森県出身。東京大学教育学部卒。
一般企業に就職したしたものの行政書士試験合格を機に退職し、東京大学大学院で中国教育行政史を研究。その後、教育法務や企業法務に携わりながら中国思想を学ぶ。
40歳を過ぎて中国武術の論理的な学習法に出会ったことでカンフーライフに目覚める。初心者でもわかりやすい指導法が得意。