文:田中稜月(代表・指導員)
吉祥寺スタジオで開講している「八卦掌中級クラス」は、2023年7月の開講から1年が経過し、最近は功夫がついてきた実感があります。そんな八卦掌中級クラスの最近の授業内容の一部を紹介したいと思います。
中級クラスは当会で八卦掌の基礎を一定程度学んだ方が対象のクラスなので人数は多くありませんが、受講されいてる方々は過去(当会は5年間ほど休会していました)に八卦掌クラスを受講していた経験者なので、すでに型はほとんど学び終わっている方もいます。
伝統程派八卦掌は練習用套路(型)が少ないため、ベテランの方々は特に、型を学んでからどう練習するか、練習内容の深化とモチベーションの維持が重要になってきます。
当会では「散掌」(技の掛け合い)の練習は行いませんが、型の武術的意味を知ることは本質の理解につながるので、八卦掌中級クラスでも、安全に注意を払った上で用法の体験実習を積極的に取り入れています。
先週の授業では、「推窗望月」という型の歩法と掌法の実戦的意味を指導していただいたのですが、型と用法は微妙に違うので、実際に体験して自分の身体で研究できるのがとても有意義です。
「だから、この手はこの位置に置くのか!」とか「ということは、もっと腰を低くしないといけないんですね」といった気づきもあり、自分の身長や歩幅を実感したり、今後の練習の課題も理解できたと思います。
私は先生による実演と生徒さんとの実習のどちらも体験したのですが、歩法の形は真似できても身体の隙の部分に入られるときの先生の気配や怖さは真似できないことも肌で感じることができ、用法の理解の上に型を磨き上げることの重要性を改めて認識しました。今後の自らの練習・研究とクラスでの指導に活かしていきたいと思います。