鳥戯について
鳥戯は五行において金に属し、土に属する熊戯の次の戯となり、華佗五禽戯の五番目の戯として位置づけられています。
鶴は鳥の中でも特に長寿で優美さを備えています。渡り鳥でもある鶴は、長時間の飛行中、全身で「気」を呼吸しているといわれています。五行における五志(感情)では「悲」に属し、この悲は肺を損なわせます。呼吸には肺呼吸と皮膚呼吸の二つがありますが、鳥戯はこの両方の呼吸を鍛えることで、肺の機能を向上させることができます。
「気」と「呼吸」を司る鳥戯は、五禽戯の中でも特別な戯であり、熟練すればまるで空を飛翔しているかのような感覚を得られます。

健康効果
鳥は肺にあたり皮膚を鍛えます。飛翔能力と平衡感覚に優れている鳥の動を模範することで、気の調和を図り、肺と皮膚の健康を保ち、経絡の流れを改善して病を予防することができます。
鳥戯の動作
枝の上から飛び立ち、群れになり飛翔し、水辺で水浴びをし体を振るわせ、さらに岩場から飛び立ち、大きく旋回しながら飛翔し、巣に帰って休む、というストーリーで全ての動作が構成されています。
一、 仙鶴跳枝(せんかくちょうし)
鶴が枝の上で飛び跳ねる動きから始まり
二、 白鶴飛翔(はっかくひしょう)
飛翔する
三、 群鶴落灘(ぐんかくらくたん)
群れになった鶴が水辺に降り立つ
四、 白鶴撲地(はっかくぼくち)
地に伏せる
五、 転頚左顧(てんけいさこ)
鶴が左方を見る
転頚右顧(てんけいうこ)
鶴が右方を見る
六、 単腿鶴棲(たんたいかくせい)
片足で立ち
七、 飛鶴展翅(ひかくてんし)
翼を羽ばたかせる
八、 群鶴浄身(ぐんかくじょうしん)
水浴びをし
九、 搖身抖水(ようしんとうすい)
体を振るわせ
十、 抖翎飛翔(とうれいひしょう)
大きく翼を広げ飛翔する
十一、降落岩石(こうらくがんせき)
岩へ降り立ち
十二、飛鶴盤旋(ひかくばんせん)
さらに旋回しながら飛翔し
十三、白鶴宿巣(はっかくしゅくそう)
巣へ帰り休みます
套路名称
一、 仙鶴跳枝左式 ― 仙鶴跳枝右式
二、 白鶴飛翔左式
三、 群鶴落灘左式
四、 白鶴撲地左式 ― 白鶴飛翔左式
― 群鶴落灘右式 ― 白鶴撲地右式
五、 転頚左顧左式
六、 単腿鶴棲左式
七、 飛鶴展翅左式 ― 転頚右盼右式
― 単腿鶴棲右式 ― 飛鶴展翅右式
八、 群鶴浄身左式
九、 搖身抖水左式 ― 群鶴浄身右式
― 揺身抖水右式
十、 抖翎飛翔左式
十一、降落岩石左式 ― 抖翎飛翔右式
― 降落岩石右式
十二、飛鶴盤旋左式 ― 飛鶴盤旋右式
十三、白鶴宿巣左式 ― 白鶴宿巣右式
十四、收式