REPORTAGE / 2004–2010

横山春光の中国武術留学記

体の変化

武縁

2008年1月下旬。帰国を延期した私は、河南省で『日本中国伝統功夫研究会』のWEBサイト制作と、それに伴う資料の整理を進めていました。

インターネット環境を整えるために、知人に中古のパソコンの調達を依頼して、諸々の準備が整うまでの数日間、積年の迷いから解放された爽快感と、八卦掌の鍛錬&研究会のサイト制作という、新しいことに取り組めるワクワク感で、私は上機嫌でした。

その年の冬はとても寒く、大雪が降りました。外は寒かったのですが心は躍っていたので、自宅で八卦掌の基本功を終えると、毎日外に出かけていました。

当時、主に練習していたのは、つま先を内に入れる扣步(コウ・ブー)と、つま先を外に開く摆步(バイ・ブー)、そして狭い部屋のスペースでも膝を痛めない直走(ジー・ゾウ/まっすぐ歩く)でした。それだけなのに、みるみる体調が良くなっていく実感が得られるので、私は天にも昇るような気分でした。

「我终于找到了真正的方法!(ウォー・ジョンユー・ジャオダオラ・ジェンジョンダ・ファンファー/やっと本物の方法をみつけた!)」

特に、長年悩まされていた腰痛と首の痛みが、短期間でほとんど感じられないほど改善されていることを発見した私は、感謝の気持ちで一杯になり、麻林城老師のいらっしゃる北京の方角に向かって土下座をして御礼を言いたいほどでした。体の動きが根本から変わっていくようで、もう楽しくて楽しくて仕方がない、といった状態でした。

たまにヨガ・センターで友達になった小朱が、朝ごはんに包子(バオズ)を買ってきてくれましたが、私の元気な様子を見ると「良かったね〜♪」と言ってくれました。

とにかく、私はこの時、上機嫌でした。中国に来て初めて、ゆったりとした気分で練習に取り組めていました。毎日がとても新鮮で、とても充実していました。晴れた日には、外でおばあちゃん達と一緒に“ひなたぼっこ”なんかしちゃったりして、もう気分は、エブリデイ・バーチャル温泉旅行です。

(あははは〜♪きっともう苦しいことは、ぜーんぶ通り過ぎてしまったのだわ〜、これからは八卦掌で幸せな人生を送れるのだわ〜☆)