REPORTAGE / 2004–2010

横山春光の中国武術留学記

休暇願い

師を探して

私は卜文徳老師のお孫さんの云龍に電話を掛けると、「体調が悪いから、卜老師との練習を1か月ほど休む!」と言い放ち、そのままベッドの上に倒れ臥して、気が済むまで寝ました。

もう何もかもが嫌になってしまいました。寝ても醒めても「下功夫!下功夫!抓紧时间,下功夫!(シア・ゴンフ/練習!練習!ひと時の時間を惜しむように精進しなさい!)」と言われ続け、追い回される鶏のように駆けずり回り、身も心もクタクタでした。

暫く眠って目が覚めた私は太極拳館に向かい、いつも何だかんだと理由を言って断っていた事務所の人たちとの食事会に行くことにしました。アルコール度数3%の中国の軽いビールをガブガブと飲み、小龙虾(シャオ・ロンシア/ザリガニ)と叫花鸡(ジャオ・ホアジー/江南名物の鶏の丸焼き)をモグモグと食べ、「我真的很累!(ウォー・ジェンダ・ヘン・レイ/私は本当に疲れた!)」と連呼し、満腹になるとまた家に帰って、もはや宿敵と化した目覚まし時計を台所の冷蔵庫の上に放り投げて、再び気が済むまで眠りました。

しかし、眠りに就きながら私が考えていたことは、「私の練習方法は間違っている」ということでした。

と言っても、打開策が無いのです。太極拳館では一進一退の練功を繰り返し、卜文徳老師の指導には体が耐えられず、ただ消耗するだけの日々を積み重ね、練習方法を疑い、心の中が滅茶苦茶になっていたのです。