REPORTAGE / 2004–2010

横山春光の中国武術留学記

黄金色の陳家溝

武縁

2008年9月14日。取材で知り合ったカメラマンが時間ができたというので、頼んでいた陳家溝日帰りツアーに連れて行ってもらいました。トップページに籠っているうちに、気がつけば夏が終わっていて、陳家溝の村は、秋の収穫で黄金色に染まっていました。

太極拳の発祥の地・陳家溝の村を歩いていると、中国留学当初の頃の自分を思い出し、(本当に長かった、充実していた、なんてたくさんのものに私は出会えたんだろう)と色々な思いが浮かんできて、心がすうっと深まっていくような気がしました。

村を見学しながら歩いていると、道端で、村の人たちがトウモロコシの皮をむいていました。収穫したばかりのトウモロコシが、道いっぱいに山になっています。カメラマンが私のことを村の人に紹介すると、「やってみたい?」と聞かれたので、私も小さな腰掛けに座って、皮むきを手伝わせてもらいました。

陳家溝の訛りは、中国人でも聞き取れないくらい強いので、村の人たちが何を話しているのかは、わかりませんでしたが、それでも、乾燥したトウモロコシの手触りと、無限に終わらないのではないかという数に、言葉がなくても一緒に笑っていました。

つづく